AGA治療の薬を飲み始めて、気づけば丸二年が経とうとしている。今、鏡に映る自分の姿を見ながら、二年前の自分に声をかけてやりたい気持ちでいっぱいだ。当時は、本当に効果があるのか、副作用は大丈夫なのかと、不安と期待が入り混じった複雑な心境でクリニックの扉を叩いた。最初の数ヶ月は初期脱毛に怯え、半年を過ぎたあたりで産毛が力強くなっていくのを感じ、そして一年が経つ頃には明らかに見た目が変わった。周囲からも「何か雰囲気がちょっと変わったね」と言われるようになり、それがAGA治療を続けていく何よりの励みになった。そして二年目。正直に言うと、一年目のような劇的な変化はもうない。髪が増えるというよりは、今ある状態を「維持」するフェーズに入ったのかもしれないと実感している。この安定期こそが、AGA治療の本当のゴールなのかもしれない。変化がないとモチベーションが下がる人もいるかもしれないが、私にとっては「減らない」ことが何よりの安心材料になっている。この状態を保つために、薬を毎日欠かさず飲むことはもちろん、生活習慣にもしっかり気を配るようになった。十分な睡眠時間を確保し、タンパク質や亜鉛を意識した食事を心がける。ストレスを溜めないように、週末は趣味に没頭する。これらは髪のためだけでなく、心身の健康にも繋がっている。二年という月日は、私に髪だけでなく、自分自身を大切にする習慣と、揺るぎない自信を与えてくれた。