AGA治療における数々のデメリットの中でも、患者自身の選択によって引き起こされる、最も取り返しのつかないデメリット。それが「自己判断による治療の中断」です。費用面や副作用、あるいは「もう大丈夫だろう」という油断から、医師に相談なく薬をやめてしまう。その先には、単に「元に戻る」だけでは済まない、厳しい結末が待っています。治療中断の最大のデメリットは、言うまでもなく、それまで積み上げてきた努力、時間、そしてお金が、すべて「無」に帰すことです。AGA治療は、いわばダムを建設して、薄毛という濁流を必死に食い止めているようなものです。自己判断でやめてしまうのは、そのダムの栓を自らの手で抜いてしまう行為に他なりません。薬によって抑え込まれていたAGAの原因物質DHTは、再び活発に生成され始め、あなたの毛根を攻撃し始めます。すると、数ヶ月の時間をかけて、髪の状態は治療前の薄毛が進行していた頃へと逆戻りしていきます。一度手にした自信と髪を失う精神的なダメージは、最初に薄毛に悩み始めた時よりも、はるかに大きいかもしれません。これが、一つ目の深刻なデメリットです。さらに、もう一つの見過ごせないデメリットが、「再治療へのハードルの高さ」です。一度治療を中断し、リバウンドを経験すると、「また治療しても、どうせやめたら元に戻る」「一度失敗したのだから、次も無駄になるかもしれない」という、強い無力感や不信感に苛まれます。これにより、再び治療に踏み出すための心理的なハードルが、以前よりも格段に高くなってしまうのです。また、中断している間にAGAがさらに進行してしまい、再治療を始めても、以前のような効果が得られにくくなっている可能性もあります。AGA治療は、医師という伴走者とゴールを目指す長距離走です。もし、やめたいと思ったら、それはコースをリタイアするのではなく、立ち止まって伴走者と作戦を練り直す時なのです。自己判断による中断という最悪の結末を避けるためにも、必ず医師に相談してください。