サロンでお客様の髪に触れていると、その方の普段のヘアケア習慣が手に取るように分かります。特に、薄毛や抜け毛にお悩みのお客様からご相談を受ける際、私がまず確認するのがドライヤーの使い方です。多くの方が、良かれと思ってやっていることが、実は逆効果になっているケースが少なくありません。プロの視点から、健やかな髪と頭皮を育むためのドライヤーテクニックの要点をお伝えします。まず、私たちがサロンで徹底しているのは、何よりも「オーバードライ」を避けることです。つまり、乾かしすぎないこと。髪の水分量がゼロになるまで乾かすと、髪はパサつき、頭皮は乾燥してしまいます。目安としては、全体の九割程度が乾き、触った時にほんの少しだけひんやりとした湿り気を感じるくらいがベストな状態です。この状態なら、髪に必要な潤いを残しつつ、雑菌が繁殖する心配もありません。次に、ボリュームを出したい部分、特に薄毛が気になる頭頂部や分け目の乾かし方にはコツがあります。髪の根元は、生えている方向とは逆の方向に指で優しく持ち上げながら、下から風を送り込みます。こうすることで、根元がふんわりと立ち上がり、自然なボリューム感を出すことができます。この時、ドライヤーのノズルを頭皮に近づけすぎず、常に動かしながら風を当てることが鉄則です。そして、意外と見落としがちなのが、ドライヤーを持つ手と反対の手の役割です。髪を乾かす間、空いている方の手は決して休ませず、指の腹を使って常に髪を優しく動かし続けてください。こうすることで、熱が一箇所に集中するのを防ぎ、髪の毛一本一本に効率よく風を届けることができます。最後に、仕上げの冷風は絶対に省略しないでください。これがプロのツヤ髪の秘訣です。毎日の少しの意識と手間で、あなたの髪は見違えるほど変わる可能性を秘めています。