AGAはどこから始まるのかを認識したら、次に知っておくべきは、それがどのように進行していくのか、そして放置した場合にどのような未来が待っているのかということです。AGAは進行性の脱毛症であり、一度発症すると自然に治ることはなく、何もしなければ症状はゆっくりと、しかし確実に進行していきます。AGAの進行度合いを示す分類法として、世界的に「ハミルトン・ノーウッド分類」が用いられています。これは、薄毛のパターンをⅠ型からⅦ型までのステージに分けたもので、自分の状態がどの段階にあるのかを知る客観的な指標となります。初期段階であるⅠ型やⅡ型では、生え際がわずかに後退する程度ですが、これがⅢ型になると、M字部分の切れ込みが深くなったり、頭頂部が薄くなったりと、多くの人が薄毛をはっきりと自覚するようになります。その後、Ⅳ型、Ⅴ型とステージが進むにつれて、前頭部と頭頂部の薄毛部分が徐々に拡大し、最終的にはそれらが繋がってしまいます。そして、最終段階であるⅦ型になると、側頭部と後頭部の一部にしか髪が残らない状態に至ります。この進行のスピードには個人差がありますが、一般的には数年から数十年かけてゆっくりと進んでいきます。ここで重要なのは、AGAの治療は早く始めれば始めるほど、高い効果が期待できるという事実です。毛根には寿命があり、AGAによってヘアサイクルが短縮され続けると、やがて毛母細胞は髪の毛を作り出す能力を完全に失ってしまいます。そうなってからでは、どんな治療をしても髪を再生させることは非常に困難になります。つまり、治療によって改善が見込めるのは、まだ毛根が生きている初期から中期段階までなのです。「まだ大丈夫だろう」と放置している間に、治療の選択肢は少しずつ狭まっていくのです。AGAの兆候に気づいたなら、それは未来の髪を守るための行動を起こす最後のチャンスかもしれません。