私が長年AGA治療の最前線で多くの患者さんと向き合ってきた経験から言えることは薄毛治療は時間との戦いであり正しい情報の取捨選択が明暗を分けるということです。診察室を訪れる患者さんの中にはネット上の誤った情報や根拠のない民間療法に振り回されて貴重な時間とお金を無駄にしてしまった挙句にかなり進行した状態で助けを求めてくる方が後を絶ちませんがもっと早く医学的な治療介入をしていればここまで髪を失わずに済んだのにと悔やまれるケースが多々あります。男性ホルモンが悪者扱いされることが多いですがホルモン自体は男性の健康維持に必要なものであり治療の目的はホルモンをなくすことではなく特定の酵素との結びつきをブロックして悪い変化をさせないことに尽きるのです。副作用を過度に恐れるあまり治療を躊躇する方もいますが実際の副作用の発現率は数パーセント程度であり万が一症状が出たとしても服用を中止すれば回復するものがほとんどですのでリスクとベネフィットを天秤にかけたときに治療をするメリットの方が遥かに大きいことは医学的に明白です。また最近ではフィナステリドやデュタステリドといった内服薬だけでなく成長因子を頭皮に直接注入するメソセラピーや自毛植毛といった選択肢も増えており患者さんの進行度や予算や希望に合わせてオーダーメイドの治療計画を立てることが可能になっています。治療を続ける上での最大の敵は患者さん自身の自己判断による中断であり効果が出始めたからといって勝手に薬を辞めてしまえばリバウンドで一気に薄毛が進行してしまうため医師と二人三脚で長期的な視点を持って治療に取り組む姿勢が不可欠です。薄毛は遺伝だから仕方がないと諦める時代はとうの昔に終わっており医学の進歩によってコントロール可能な慢性疾患の一つとして捉え直すべきであり私たちはそのための最適な武器と戦略を提供することができるのですからまずは勇気を出して専門医のドアをノックしてほしいと思います。