AGA(男性型脱毛症)の症状の中でも、自分では気づきにくく、かつ深刻なコンプレックスとなりやすいのが頭頂部の薄毛、俗に言う「てっぺんハゲ」です。前頭部のM字ハゲは鏡を見れば一目瞭然ですが、頭頂部は合わせ鏡をしたり写真を撮ったりしない限り確認が難しく、人から指摘されて初めて事の重大さに気づくというケースが後を絶ちません。この頭頂部の薄毛の最大の特徴は、つむじを中心に円心状に薄毛範囲が拡大していく点にあり、初期段階では「つむじが少し割れやすくなった」「髪の立ち上がりが悪くなった」程度の違和感しかありませんが、進行すると地肌の透ける面積が広がり、最終的には前頭部の薄毛と繋がって広範囲な脱毛に至ることもあります。医学的なメカニズムとしては、頭頂部にはAGAの原因酵素であるII型5αリダクターゼが多く分布しており、これがテストステロンと結合してジヒドロテストステロン(DHT)を生成し、毛母細胞の増殖を抑制することでヘアサイクルを短縮させます。しかし、朗報なのは、頭頂部は前頭部に比べて血管が豊富であり、かつAGA治療薬の効果が出やすい部位であるということです。特に血行促進作用のあるミノキシジルと、DHTの生成を抑えるフィナステリドやデュタステリドを併用することで、多くの患者が劇的な改善を経験しています。前頭部の生え際は一度後退すると復活させるのが難しいと言われていますが、頭頂部は毛穴さえ生きていれば産毛から太い毛へと成長させるポテンシャルが高く、早期に治療を開始すればフサフサな状態を取り戻すことも夢ではありません。対策としては、まずは勇気を出して自分の頭頂部の現状を直視し、スマホで写真を撮って記録することから始めましょう。そして、生活習慣の見直しや適切なシャンプー選びといったセルフケアを行いつつ、進行が見られる場合は迷わず専門クリニックを受診し、医学的根拠に基づいた治療を受けることが、てっぺんの守りを固める最善の策となります。
頭頂部の薄毛、いわゆる「てっぺんハゲ」の特徴と対策